ケーススタディ
産業: 物流/オートメーション
製品: Helios2 ToFカメラ
SDK: Arena SDKを使用した独自アプリ
マテリアルハンドリングの効率化に変革をもたらした
3D投影ピッキングシステム
高性能な倉庫や物流センターでは、常に生産性と効率の向上に取り組んでいます。日用品や医薬品をはじめとする流通を担う物流システムでは、取り扱い精度や信頼性、スピードが最重要視されるため、省力化され、先進的で環境的に持続可能なシステムが不可欠です。このようなシステムでは、運用コストを最小限に抑えながら、出荷ミスが起こらないよう多様な製品を高い精度で取り扱う必要があります。
挑戦
最先端の物流システムを開発・製造・販売する日本のリーディングカンパニー、株式会社アイオイ・システムは、いくつかの課題に直面していた様々な企業から物流業務の効率化の相談を受けました。:
• スペースの制約 マテリアルハンドリングでは、効率化維持のため省スペース化が重要ですが、数多くの物品を取り扱う作業では棚の配置など物流オペレーションを複雑にしていました。
• 標準化されていない梱包 標準化された荷造りや保管の形式がないことが、ロボットによる自動化を難しくしていました。
• 機器との統合 システムを既存のマテリアルハンドリング機器と組み合わせることは困難であることが判明し、自動化への取り組み効果が制限されていました。
• 複雑なエラー防止 取り扱いの正確さと効率を確保し、商品の出荷ミスを防ぐには、複数のセンサーとカメラを備えた複雑なシステムが必要でした。
• 3Dセンサーの制約 利用可能な3Dセンサーには、高精度と速度の両方の要求基準を満たすものがありませんでした。
• コスト面での懸念 3Dセンサーのコストが高いため、システムの導入にはコストがかかる懸念がありました。
解決策
アイオイ・システムは、2016年、世界初としてプロジェクタを活用したピッキングシステムとして、プロジェクションピッキングシステム?(PPS)を開発しています。画像認識技術や2Dセンサ技術を活用した、作業ミス防止機能を標準搭載しており、物流業界のピッキング・仕分け工程において、多数導入実績があります。
企業からの更なる課題を解決すべく、PPSのバージョンアップを試み、LUCID社の3D ToF カメラ「Helios2」を活用した3D-プロジェクションピッキングシステム(3D-PPS)を開発しました。多様なピッキングシステムやRFID内蔵スマートカードなど、ユニークな現場管理システムの提供で知られるアイオイ・システムは、そのノウハウを世界70カ国以上に広げています。
この豊富な経験が、倉庫作業の自動化と最適化を目的とした先駆的な技術であるPPS、3D-PPSの開発の基礎を築きました。
この革新的な3D-PPSシステムは、プロジェクターを使用して、画像、ビデオ、音声、テキスト、数字、QRコードを、作業スペースの配置や広さに関係なく、棚、ラック、床、壁に直接表示します。
また、LUCID社の3D ToFカメラは作業者の間違った作業を検出します。
このアプローチは、明確で直感的な指示をプロジェクターで提供し、間違った動作を3D ToFカメラで検出することで、圧倒的にヒューマンエラーのリスクを低減します。
• 堅牢性と信頼性 カメラのIP67準拠と耐久性は、物流や製造現場での運用に不可欠でした。1年にわたる徹底的な概念実証(POC)テストにより、その耐久性と信頼性が実証され、何の問題も報告されなかったことから、この環境への適合性が検証されました。
• 統合の容易さ LUCID社のArenaViewのユーザーフレンドリーなインターフェースとSDKは、ToFカメラHelios2のPPS設定ツールへの統合を大幅に簡素化しました。この使いやすさは、セットアップのプロセスを合理化し、システムの全体的な効率を向上させました。
• 卓越したサポート LUCID社のテクニカル・サポートは素晴らしく、タイムリーで手厚いサポートを提供してくれました。LUCIDチームは、設置の重要な局面で複雑な問題を解決するために、遠隔地まで出向いてくれました。
ソニーのIMX556PLR 3D ToFセンサーを搭載したIP67準拠のHelios2 ToFカメラは、システムが求める精度、速度、性能基準を満たすことができます。
結論
3D-プロジェクションピッキングシステム(3D-PPS)は、高度な3Dセンサー技術により、比類ない精度で作業ミスの検知を可能にしました。このシステムは、リアルタイムセンシングと、音と光によるアラームによって作業ミスを効果的に防止し、高い作業精度を実現しました。
さらに、システムが提供する直感的な視覚的指示と3Dによる作業ミスの検出により、作業員は熟練度に関係なく容易に均一な作業を行うことができるようになりました。3D ToFカメラにより、リアルタイムで作業動作の判断ができるため、人間が行うピッキングのスピードを損なうことなく、作業の正確性をシステムとして実現することができました。このシステムのリアルタイムのフィードバックと適応性は、圧倒的な精度とスピードで顧客のニーズに応え、マテリアルハンドリングを変革する貴重なツールとなっています。